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弾き語り

  • 執筆者の写真: S Mikaze
    S Mikaze
  • 2022年5月8日
  • 読了時間: 1分

ありがとう というフレーズが

街の中心近くで聴こえてきた

ありきたりな言葉だと感じても

咄嗟にその考えはかき消された

彼の言葉に耳を傾ける者は多くはないが

一瞬発信地を見据える者は数知れず


歌声は

大勢の通り過ぎる場所で

その言葉が隙間をぬって

心の内側に微かに響く


部活帰りのお兄さんや

近所で見かけるおばさんが

何を思っているか分からないが

皆それぞれに聞き耳を立て

両足を地面にはっている


ここに在るのは

愚か者の集う場所

ささやかな平和を感じる場所

誰かの感情が溢れ出て

誰かの今日を救う場所




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