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共生社会

  • 執筆者の写真: S Mikaze
    S Mikaze
  • 2022年10月29日
  • 読了時間: 1分

雨露を飲むことが気休めになった

隣のひとは私に近寄るなと言っても

せめぎ合うこの地では通用がしない

仕方ないので自分の領域を守る

到底ふたりぶんなど入りはしない


滴る水が疲れを流した

どれだけひとりの時間が好きでも

小さなネットワークは作らなくてはいけない

仕方ないので外の世界を覗き見る

そそられる香りが私を呼んだ


いつのまにか窮屈さが増した

ひとりぶんの場所に

ふたりぶんが入った

寒い時は暖かくてちょうどいいが

やはり性に合わない気がした


カップルが濡れた道を歩いていた

ひとつの赤い傘の下で


私はふたりぶんをやめた

ひとつの赤い傘を持った

その下に相棒が横たわる

どちらも程よい空間がうまれた

そこにふたつの

ひとりぶんがうまれた




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