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鳴門海峡のうずしお

  • 執筆者の写真: S Mikaze
    S Mikaze
  • 2023年12月28日
  • 読了時間: 6分

 こんにちは、Mikaze です。


 久しぶりの投稿となります。

 暫く九州を周遊していた筆者は、本土に戻ってきました。

 年末に向けて、巷ではクリスマスに続きお正月とイベント目白押しなので、道行く人々も忙しないように感じます。

 もう今年を振り返る日々になりましたね…

 しかしながら、残りの月日を悔いの残らないように過ごしていきたいですね。


 さて、今回の旅路は兵庫県の鳴門海峡です。


 兵庫県には他に魅力的なスポットが多々ありまして、全て紹介したいぐらいなのですが…やはり一番強い印象を受けたのは鳴門海峡に行ったことでした。

 この肌寒い毎日に、季節感も何もないじゃないか、という感じですよね。

 それでも、この鳴門海峡のぐるぐる渦巻きを紹介せずにはいられなかったのです。

 一にもぐるぐる、二にもぐるぐるです。


 そして、読者の方には是非ともこの記事を読み進め、目が回る錯覚に陥るほどに楽しんで頂けたら幸いです。


 それでは、どうぞご覧ください。



. 船出


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                              出港前の咸臨丸


 筆者が乗るのは、この勇ましくレトロなデザインの咸臨丸(かんりんまる)


 「咸臨」という船名は中国の『易経』より取られた言葉で、皆が心で感じあい一致協力して挑んでいくことを意味します。

 江戸時代末期、列強各国は鎖国中の日本にも訪れるようになり、幕府はその戦力、特に軍艦の脅威に対抗する必要性を感じ、オランダに西洋軍艦を発注しました。

 この一隻が咸臨丸です。

 開国から明治維新の激動期を駆け抜けた咸臨丸は、日本近代化への道のりと日本人の精神の象徴ともいえます。

 日本で初めて太平洋を横断した船として知られていますが、あの有名な勝海舟やジョン万次郎が乗った船でもあります。筆者はちょうど先日、道中でジョン万次郎について学んだばかりなので、点と点が繋がったような喜びを感じています。


 この船は、その咸臨丸の勇姿をいまに復元したものです。



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 この日は波も穏やかで、心地よい波風が吹く絶好の船出日和でした。




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 歓迎セレモニーの水砲がバーンッと天高く打ち上げられました。

 こんなに歓迎されたのは初めてでしたから、とっても嬉しいです。


 それでは、元気よく、行ってきます!






. うずしおに接近


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 船旅の道中では、ガイドのお姉さんが周辺の島々やこの土地の漁業などについて教えてくれます。へ〜、ほ〜と聞きながら、デッキから見える景色にぼんやりと酔いしれて。




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                                    大鳴門橋が見えてきた


 しばらくのんびり周遊していると、前方に大鳴門橋が見えてきました。

 真っ白な流線型が鳴門海峡に映えますね。


 さて、この下で多くの渦潮が発生しているらしいのですが、どうでしょうか…?

 近づくほどに期待で胸が高まっていきます。




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 大鳴門橋に接近。


 おお。

 なんだか海流が蠢いている……!!!



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 ポコポコと海底から湧き出しているようにも見えるのは湯の花だそうで、ここから良質な温泉が作り出されるのだとか。

 地球の神秘を存分に感じられておもしろいです。



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                                     鳴門海峡のうずしお


 さらに近づいていくと、渦潮が次々と現れました!


 鳴門海峡の潮流はイタリアのメッシーナ海峡、カナダのセイモア海峡とならんで「世界三大潮流」の一つといわれています。潮流の速さは大潮の最大時には、時速20km以上にもなり、日本一の速さといわれています。

 まるで生きているかのような大海原のうねりに圧倒されるばかりです。



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 橋の袂に続々と波が集まってきます。

 これは、シャッターが止まらない。



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                                       激しく波打つ海




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 大きな渦潮が間近で形成されていく様子。こんなに近くで見ることができると、喜びもひとしおですね。

 カメラに気をとられてあまり気づきませんでしたが、船も大きく揺れ動いて水しぶきがこちらにかかってくる勢いでした。



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 これだけ大きな渦潮に出会えたのですから、肉眼でもしっかりと目に焼き付けました。

 何度も言いますが、本当に生きているような海の表情だったのです。






. 大鳴門橋の下で


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 鳴門の渦潮は、瀬戸内海と紀伊水道の干満差により、激しい潮流が発生することによりできる「自然現象」です。

 春と秋の大潮時に最大となり、直径20〜30mにも達する渦潮の大きさは世界一といわれています。1日のうちで潮流が最速となる時間帯に最も迫力ある渦潮が発生し、潮の流れない時間帯には渦潮を見ることはできません。

 筆者が見たのは、太平洋側が干潮の時の渦潮でした。

 まだ10時頃でしたが、正午に向けてもっと渦が大きくなるようです。


 渦潮を見に行く時は、この潮流を確認して行くと、迫力のある渦潮を狙って見ることができます。

 見頃の時間を確認するには、鳴門海峡の「潮見表」が便利です。



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                                 大鳴門橋下のうずしお観潮船


 橋の下から大船が現れました。

 これは筆者が乗っているクルーズ船とはまた別の、うずしお観潮船です。



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                            うずしおに大接近する船


 この船、うずしおの真上まで通過しているからビックリ。

 よく巻き込まれて沈没したりしないなあと、感嘆してしまいます。



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                                    水位差の生じた海水面


 これは、鳴門海峡を挟んだ播磨灘と紀伊水道との間で海水面に水位差(最大約1.5メートル)が生じている様子。

 海面の高い方が満潮側で、低い方が干潮側です。

 満潮側から干潮側へ激しい勢いで海水が流れ込み、中央部を流れる速い流れと、その両側の遅い流れとの速度差で渦が発生するのです。

 そしてこの海峡の真下はV字型に深く落ち込み、最深部は90mにも達しているのだから驚きです。


 潮の満ち引きのメカニズムや、鳴門海峡のうずしおの仕組みについて言葉で説明されてもいまいちよく分からない…という人はぜひ、「うずの丘 大鳴門橋記念館」へ足を運んでみることをオススメします。

 筆者もいまいちピンとこなかったのですが、ここでは鳴門海峡の潮の満ち引きを再現した模型が展示されていまして、それが特に分かりやすかったです。

 海の底はこんな風になっているのか…!という新発見がありました。






. 帰船


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 我が咸臨丸も大鳴門橋の下を通過し、ここで旋回します。

 船が大きく傾くと、スリルがあって楽しいです。



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                              もうひとつのクルーズ船「日本丸」


 そして帰り道、時間差でこれからうずしおへ向かっていく日本丸と遭遇しました。

 大勢の人が乗っていて、手を振ってくれています。

 こちらも手を振り返しました。


 バイバイ〜!






まとめ:地球の神秘を感じ取る


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 ウワサに聞く鳴門海峡のうずしおを初めてみたのですが、こんなにも間近で、こんなに地球の躍動を感じられるとは思いもしませんでした。

 はるか昔、地球に海が誕生した時を再現したCG映像を、筆者はよく「地球46億年の歴史」などで観ます。その時はこのように海が大きくうねっていたんじゃないだろうかと、想像を巡らせてみることが楽しかったです。(勿論、実際は数百倍の規模ではあると思うのですが)

 また、うずしおクルーズについては、今回乗船した船はガイドのお姉さんの話も面白く、船のデザインや歓迎のおもてなしも嬉しくて、外も中身も充実したクルーズでした。

 ただうずしおを周遊するだけではなくて、船のライトアップやイベント、夜のナイトクルーズなども行なっているようです。次回はそれに乗って素敵なクルーズ旅をしてみるのもいいかもしれませんね。


 最後に、上手いこと言って終わりたく思います。


 皆さんは、今度のお正月はおせちを食べますか?


 筆者は、貧乏ながら食べる機会はないかもしれません。

 されどおせちの中に伊達巻というのがありますよね。

 この伊達巻は、巻いた形状が書物や掛け軸を連想させるため、知性や文化の発展、学業成就の願いが込められています。

 鳴門海峡のうずしおもぐるぐると渦巻いていますから、年を越す前にこの記事を書き残すことで、来年も知性や文化を高めることができる良い年となりますように。



 それでは、また次の記事でお会いしましょう。





参考URL:

渦の道 鳴門の渦潮の魅力

渦潮観潮船

うずしおクルーズ


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