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東天狗岳の頂へ

  • 執筆者の写真: S Mikaze
    S Mikaze
  • 2023年10月29日
  • 読了時間: 6分

 こんにちは、Mikaze です。


 巷ではハロウィンの時期がやってきましたね。

 筆者も、道の駅で可愛らしいおもちゃカボチャがあったので、ついついゲットしちゃいました。車の中に飾ってふと眺める毎日です。

 日に日に月の輝きも増して、眩しく感じられる夜が刻一刻と過ぎていきますね。


 さて、筆者は夏の終わりに長野県の東天狗岳という山を登りました。

 これまでの登山で一番高い山への挑戦です。

 今回は、その活動記録を紹介したいと思います。


 それでは、どうぞご覧ください。



. 天狗岳はどんな山?


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 まず、東天狗岳についてざっくりとした知識を紹介します。


 東天狗岳は標高2640m。西天狗岳と並ぶ二峰のひとつで、南北21kmに渡る八ヶ岳連邦の中央ほどに位置しています。

 東天狗岳は名の由来となったように赤い岩肌をむきだしにした岩峰で赤天狗と呼ばれ、西の峰は頂上までハイマツがある女性的な山で青天狗と呼ばれるそうです。

 

 今回は、"天狗の鼻"と呼ばれる岩先を携えた赤天狗を登頂してきました。


  赤天狗は南八ヶ岳の雄々しい岩肌を露出する山群の特徴を、青天狗は北八ヶ岳の針葉樹林と池の点在する山群の特徴を備えています。 

 眺望は素晴らしく、八ヶ岳の自然の両面を持ち合わせた魅力的な山です。


 なぜ天狗岳を登ったのか?といいますと…名前がカッコイイからです(笑)

そうです。私は厨二病なのです。


 天狗が此処に住み着いているのかもしれないな…などとあらぬ空想をたてながら楽しく登りました。


 さあ、それではさっそく行ってみましょう。





. 東天狗岳を目指して


本来ならば、唐沢鉱泉登山口の駐車場から出発する予定でしたが、Google Map のナビ通りに行くといつの間にか森の奥へとずんずん進み、酷い荒れ道を通って桜平駐車場に到着しました。

 正直に言って、今までで一番の悪路で辿り着くまでに命が削れました。

 筆者の車は4WDの軽自動車であったのでなんとか行けましたが、まず相当な運転テクニックがないと難しく、車体に傷がついたりタイヤがパンクしそうになるくらい、岩肌剥き出しの、すれ違ったら終了の細い一本道を行くことになります。

 もう二度と行きたくないです(笑)

事前によく調べ、唐沢鉱泉登山口の駐車場を目指すべきですね。

(筆者は運転苦手にも関わらず、後ろから車も来ていたため迷う暇もなく奥へ進んでしまいました)

 そしてそれ以上に、日本一周の車の命を削ってしまうようなものだったので肝を冷やしました。


 出発地点から間違えてしまった訳ですが、看板のマップを見るとここからでも天狗岳を登れるらしい。

 もう引き返すのも嫌なので、足早に登山をスタートしました。

(それでも、持ち物、食料などの事前準備はしっかりと!)


後から分かりましたが、この桜平駐車場からは、夏沢峠や硫黄岳を目指して登山する方が多いようです。


出発 8:44 a.m. -


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                             唐沢鉱泉付近の登山道


 最初は、針葉樹の連なる森の中を歩きました。

 茶色い大地を踏みしめながら、森林浴を全身で浴びてさくさくと進んでいきます。

 まだ歩きやすい道のりです。

最初は、ポイント地点のオーレン小屋を目指します。



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                                   木陰に生息するスギゴケ


 森の中には美しいコケが生息していました。

 ズームにして観察すると、とても可愛らしいです。

 先日雨が降ったので、湿気があり生き生きとしています。




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                                    広範囲に密集している




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                           雰囲気が少し変わってきた

歩くこと30分ほど。

 日が差し込んで少し明るくなってきました。

 木肌の白っぽい木が増えてきます。

 コケの下の根っこが剥き出しで、掘られた地面の跡を辿っているようです。

 ごろごろとした石も転がっています。



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                                       箕冠山の分岐点

10 : 02


 オーレン小屋でひと休憩。


 ちなみに、この小屋で一泊して登頂を目指す方が多いようでした。


 筆者は根性で日帰り登山します。



11 : 14


 そして、ここから東天狗岳へ向かうルートを進み、標高 2581 mの箕冠山(みかぶりやま)に到着しました。


 さすがに、2000 mを超えると涼しく、空気も薄くなってきているのを感じました。


 天狗山までの道のりは長い…

 されどもう一度気合を入れて前へ進みます。



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                                      視界が開けた瞬間


 果てしない樹林と大きめの石がごろごろ転がる道を延々と歩きました。

 まるで修行のようで、いくら考え事をしても物足りないくらいの道が続いていました。

 

 そして…

 ついに視界が開けた場所に到達。

 目の前の木がいかつい!


 しかし、俄然やる気が出てきました。

 登頂まであと少しです。



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                                      トウヤクリンドウ


 足元で可愛らしい花が出迎えてくれました。




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根石岳山頂 2603m


11 : 29


根石岳の山頂に到達しました。

 足元を確かめながら、大きな岩場を登っていきます。



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ミヤマキンバイ(?)


 岩場の隙間にもちいさな花が。




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                                       そびえ立つ岩山


 迫力のある岩肌が視界の目の前に現れました。

 どうやって形成されたのか定かではありませんが、ちょっと異様な雰囲気がして胸がときめきます。



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 赤茶けたゴツゴツの岩の眼下に、果てしない森が広がっています。

 ここで落ちたら一貫の終わり。

 でも、ここまで登ってきたことを考えると恐怖心も疲労も吹っ飛んでしまうのがなんとも不思議でした。



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 東天狗岳の頂がついに見えてきました。


 あと少し!




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                            東天狗岳登頂の一枚

0 : 24 p.m.


 東天狗岳山頂に到達しました!


 2640mの頂。

 ここまで高い山に登ったのは生まれて初めてです。


 記念に登山者の方に写真撮ってもらいました。

 なぜか顔がまるまるしています。

 今は少し痩せたと思うので…どうか気にしないでください(笑)




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                                      右側には天狗の鼻


 山頂からの景色はこんな感じ。

 上空の雲が速く流れていて、風も強く吹いていました。


 それでも、山頂で食べるおにぎりは美味しい!

 "天狗の鼻" を見上げながら、岩場に腰を下ろしてご飯を食べます。




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                                       蓼科山側の眺望


 おっと、雲の隙間から遠くの山々が見えてきました。

 ここまで見えるのは運がいいかもしれないです。




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                                       西天狗岳を拝む


 ゆっくり休憩したあとは、下山です。

 足が大分疲労していたため、西天狗岳は東天狗岳の山頂から拝むだけにしました。

 帰るまでが山登り。

この険しい岩の間をまた歩くのは億劫ですが、弱音を吐いていられません。




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 え、こんなところ登ってきたの!?

 って、あとで振り返ってみるとびっくりします。




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                                        ヒメシャジン



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                                 陽に染まる層積雲



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 帰り道、一瞬雲が開けました。

 これはラッキーです。



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東天狗岳



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硫黄岳

硫黄岳も眺望できました。

 湯気が立ち昇っているのが見えます。今回は登りませんでしたが、今でも脈々とあそこから硫黄が吹き出しているに違いありません。




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- 4 : 08


 さて、無事に下山して駐車場に到着です。


 よく見ると、車のアンテナにとんぼがとまっています。

 ちょっとだけ秋の風情を感じる帰り道でした。


 活動データ:タイム 07:23 距離 10.5km

上り963m 下り1010m





まとめ:天狗岳に魅せられて


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 天狗岳登山は、これまでにないくらいハードな道のりでした。

 まず、私が出発地を間違えてしまったことが大きいですが…(笑)


最初の登山道で、自然林に囲まれたコケの植生を観察したり、天狗岳の赤茶色の大きな岩肌に感激したり、断崖絶壁のスリルを楽しんだり…と未知の体験に胸が高鳴りました。

 しかしそれは一瞬の出来事で、それまでに険しい岩山を登らなければならず、曲がっては現れる鬱蒼とした森に心が折れそうになることもしばしば。


 すべてをひっくるめて登山です。

 どこかのコラムで、「山の頂上に降り立った時はじめて、山と心を通わせることができた気がする」という話がありました。

 山と心を通わせるというのは抽象的に感じますが、その登山の真髄とも呼べる部分を少し垣間見たような気がします。

 登山で遭遇するすべての事象が、その山を感じるひとつの綻びであり、自分の内面を成長させるものでもあったからです。


 まだまだ登山家には遠く及びませんが…これからも知的好奇心を抱えて新たな経験に打ち震わせ、登山に挑んでいきます。






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