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発見

  • 執筆者の写真: S Mikaze
    S Mikaze
  • 2022年5月1日
  • 読了時間: 1分

何十億年先の 我々のいなくなった頃

目の前にある光景は同じ姿形をしているだろうか

それらは原型をとどめているだろうか

どんなものに生まれ変わっても愛せるものはあるだろうか


例えば、小さい頃の楽しい思い出の詰まった公園は

大人になった自分には あまりにも小さな場所だった

苦手だった学校の先生は

見違えるように年を重ね 焦燥感だけが残っていた


つまらぬものは多くあり 肩に重くのし掛かってくるが

何十億先にはそれらもすべて消えていく

そう思うと ほんの少しだけ許せる気がした


遠く先は目が悪くて 靄がかかっているばかりで

一向に見えやしないが

足先で目を留めたそれはよく見える

また同じ場所で同じものを見ても、きっと何かが違うだろう

だから、それを発見と呼ぶ

それを未知との出会いと呼ぶ


一瞬の愛しさを垣間見て

そしていつかその光景も忘れ

ただ歩き回る旅人になる





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