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Entrekker
旅を愛するすべての人へ。
Entrekker は、実際の体験談を詩や言葉で綴ったブログです。
旅人のちょっとしたひと休みや、旅に出発するきっかけとして
ぜひ読んでみてください。
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共生社会
雨露を飲むことが気休めになった 隣のひとは私に近寄るなと言っても せめぎ合うこの地では通用がしない 仕方ないので自分の領域を守る 到底ふたりぶんなど入りはしない 滴る水が疲れを流した どれだけひとりの時間が好きでも 小さなネットワークは作らなくてはいけない...
S Mikaze
2022年10月29日読了時間: 1分


沈む空
考えることをやめていた 焦ることばかりを学んで 黒い雲に目を取られていた もしまた傷つけることに躊躇いもなく 飛び込むことに諍いもなく 怯える顔を優しく包んであげられたら 未来は少しマシになるだろうか 思いつくことをやめていた 道で拾った石ころを並べていた...
S Mikaze
2022年10月26日読了時間: 1分


海釣り
ひとまわり大きく見える手の先に 果てしない愛にも似つかない野望が埋まっていた 汚い泥沼の中に手を入れて わずかな幸せをまさぐっている どこまでが真実かを知らないけれど 信じることを恥じて手を離すのが嫌で 目線を地面と睨めっこするのが嫌で ただ遠くを見つめていた...
S Mikaze
2022年10月24日読了時間: 1分


夕刻の噴水
薄暗く青い地面に光の粒が舞う 非現実の一角を垣間見たように これが最後の日だって誰かが言っても 冥土の土産にはならないって分かってる 子供も大人もその光に憧れる 思わず手をそちらに向けて 掴めないものを掴もうとする ありきたりな日がまた明日やってくると知っても...
S Mikaze
2022年10月18日読了時間: 1分


滝の下
叫びたい 大嫌いなことも、つらいことも 大好きなことも、愛していることも いつもわたしは 小さく掠れた声で呻くようで 大勢の中に紛れてかき消されてしまう 叫びたい 繋がっているこの命を 生きているこの確かな感覚を 偉大な世界を全身に浴びて いつものわたしのように...
S Mikaze
2022年10月17日読了時間: 1分


ブルーベリー(たくさん)
甘いか酸っぱいか、甘酸っぱいか その実を口にするまで分からない 何回も試してみては 同じことを繰り返す時もある とびきりの良いものを引き当てるまでじゃない とびきりの満足を得るまでだ 嘘つきを信じてみたり 夢の続きを考えてみたり ふらふら彷徨っては...
S Mikaze
2022年10月7日読了時間: 1分


焚き火
試しにやってみることは とても勇気がいることだ 失敗と後悔を恐れているのは 炎のように長く生き続ける術を知らないから どうにかして燃え広がった魂によって 腹一杯に食べられる料理が出来た 寒さをしのぐ灯火が出来た 我ながら充分だと思う 充分な成果である...
S Mikaze
2022年9月28日読了時間: 1分


外側と内側
落ち着きを与える平行線でも 冷静さと規律を与える垂直線でもなく 心を動かしたのは 平然と並べられた窓 その向こうに見えるピンク色のカーテンだった 室内から聞こえてくるのはクラッシックかピアノの音 置かれているのは木製の、彫刻の施された美しい家具...
S Mikaze
2022年9月26日読了時間: 1分


看板の道
鮮やかな発色が 私を未知の場所へといざなう 心が落ち着くのはなぜだろう 歓迎の看板は、通りをかっさらう風を快く受け入れる どんな人物の侵入も拒まなかった 私は愉快になって、電柱の影を辿る 壁に書き殴られた落書きは呪文のようで 閉ざされた小さな扉はミステリアスな女性みたい...
S Mikaze
2022年9月23日読了時間: 1分


鯉
一際目立つような 目立たないような そんな一匹が 流れる水に逆らって身体をうねらせる 鱗についた少しの朱色が 空を反射した水面と交差して 一瞬消えて、なくなった 同じ形のちがう模様の奴が その身の上を横切って 姿は煙に巻かれていった 瞳が群れを辿って泳いでいれば...
S Mikaze
2022年9月20日読了時間: 1分
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